移住や留学・海外勤務で家族に送金など、海外に出れば必要になる国外送金。なんといっても簡単で最安の手数料はトランスファーワイズ (TransferWise.com)です。銀行振込は手数料が高いですし、海外でのカード引き出しにも為替手数料が上乗せされているので高くつくのです。
トランスファーワイズは世界的にはすでにメジャーな国際送金手段で信頼性もあります。
トランスファーワイズで振込みまた送金のみならずボーダレス口座という機能で自分の口座番号を取得し、送金の授受が可能です。口座開設しておけば本帰国の際にも残しておけるので便利です。
目次
圧倒的に安く手数料がクリア
トランスファーワイズは送金手数料が格安です。主な通貨への送金手数料は以下です。
JPY to EUR 100 JPY + 0.55%
JPY to USD 100 JPY + 0.55%
JPY to GBP 110 JPY + 0.55%
JPY to CAD 70 JPY + 0.55%
JPY to AUD 90 JPY + 0.60%
JPY to HKD 190 JPY + 0.70%
その他の通貨についてはこちらで実際に数字を入力して確認 ⇒ TransferWiseの手数料を確認
これ以外の手数料は一切かからず、料金の透明性が高いことも特徴です。送金時には以下が全部明示されます。
・いくら送金して
・いくらの手数料がかかり
・どのレートで換金され
・いくら相手に届くか
銀行で5万円送金したら手数料6千円くらいかかるので、10分の1以下の手数料400円がいかに格安かがわかると思いますが、以下銀行がとっている手数料についても解説して、TransferWiseと比較してみます。
銀行は手数料を隠している
銀行は手数料についてはわざとわかりにくくしています。素人がサイトをよく見てもいったい合計いくらの手数料がかかるのか全く分かりません。
例えば三菱東京UFJ銀行のサイトによるとから海外の他行に振り込む場合
送金手数料は
・窓口 5500円
・ネットバンキング 3000円
・さらに円為替取扱手数料が送金金額の1/20%(最低2500円)
とあります。1/20%って業界用語なのかもしれないですけど一般人には意味がわかりませんよね。このページって業界人のためのものなんでしょうか?僕もわかりませんでした。1/20は0.05なので0.05%なのですが、客の立場で翻訳すると以下になります。
「円為替取扱手数料:500万円までは2500円、それ以上の場合は送金額の0.05%」
で、しかもその他に手数料がかかるとはここには書いていないんですが、さらに為替手数料という換金レートに上乗せしている隠された手数料があります。それぞれの銀行が毎日独自の為替レートを設定しています。
■ 為替レート例:三菱東京UFJ 為替相場一覧 (2017年10月5日)単位円
通貨 | 売値(TTS) | 買値(TTB) | 1単位あたり手数料 |
USD (米ドル) | 113.81 | 111.81 | 1 |
EUR (ユーロ) | 134.09 | 131.09 | 1.5 |
CAD (カナダドル) | 91.95 | 88.75 | 1.6 |
AUD (オーストラリアドル) | 90.42 | 86.42 | 2 |
GBP (イギリスポンド) | 153.3 | 145.3 | 4 |
売値(TTS)と買値(TTB)の差が米ドルで2円、ユーロでは3円、ポンドではなんと8円あります。この額の中間が仲値でその日のレートです。そこに米ドルでは1円、ユーロでは1.5円、ポンドでは4円の手数料を載せています。
■ 100万円当たりの為替手数料
次に100万円をそれぞれの通貨に振り込んだ場合の為替手数料をみてみましょう。(振込手数料はこれ以外に5500円かかります。)
通貨 | 1単位あたり | 百万円あたり | TW |
USD (米ドル) | 1 | 8,864¥ | 0¥ |
EUR (ユーロ) | 1.5 | 11,313¥ | 0¥ |
CAD (カナダドル) | 1.6 | 17,709¥ | 0¥ |
AUD (オーストラリアドル) | 2 | 22,619¥ | 0¥ |
GBP (イギリスポンド) | 4 | 26,792¥ | 0¥ |
なんとポンドでは約26,800円!振込手数料合わせて32300円!!トランスファーワイズなら無料なのにです。銀行に預けても利子は0.01%なのに3.2%も手数料を取られるなんて何かがおかしい。確かにポンド高の時期もありましたが、同じことするのに米ドルの4倍はひどいですね。
■ トランスファーワイズの為替レート
トランスファーワイズの為替手数料はなしとのことですが、本当でしょうか?本日2017年10月5日の東京三菱UFJ銀行とのレート比較で検証してみます。トランスファーワイズの表示では円からの送金の場合は1円あたりのレートが表示されますので、わかりやすいように銀行レートに合わせて換算しました。
通貨 | 仲値 | TWレート | 差 |
USD (米ドル) | 112.81 | 112.61 | 0.20 |
EUR (ユーロ) | 132.59 | 132.63 | -0.04 |
CAD (カナダドル) | 90.35 | 取扱なし | |
AUD (オーストラリアドル) | 88.42 | 88.18 | 0.24 |
GBP (イギリスポンド) | 149.3 | 148.59 | 0.71 |
為替レートは金融機関が独自に設定するので、金融機関ごとに多少異なります。また刻一刻と変化するので銀行が発表したその日のレートとトランスファーワイズのリアルタイムレートに差もあります。表をみるとこの日はポンドでは多少開きがあるもののトランスファーワイズは本当に仲値を取っていて、為替手数料は載せていないようです。
もう一度銀行手数料を確認すると、三菱東京UFなんたらで100万円をユーロに送金した場合の手数料は、比較的安いインターネットバンキングの場合で以下になります。
送金手数料 | 3,000¥ |
円為替取扱手数料 | 2,500¥ |
為替手数料 | 約11,500¥ |
合計 | 約17,000¥ |
なんと、100万円の送金では隠蔽された為替手数料の11,500円の方が他の手数料の倍くらいあるんです。これが遺産相続などして1000万円送ろうとすれば為替手数料は11万5千円ということになります。ただトランスファーワイズでは残念ながら日本から海外へは一度に100万円までの送金しかできません。
手数料比較
次に東京三菱UFJ銀行とトランスファーワイズで5万円と100万円をユーロに送金した場合の手数料を比較してみましょう。
■ 送金手数料 (1ユーロ=130円計算)
送金額 | 50,000¥ | 1,000,000¥ |
送金手数料 | 3,000¥ | 3,000¥ |
円為替取扱手数料 | 2,500¥ | 2,500¥ |
為替手数料 | 577¥ | 11,538¥ |
三菱東京UFJ銀行合計 | 6,077¥ | 17,038¥ |
トランスファーワイズ | 400¥ | 7,937¥ |
銀行では最低の固定料金があるので特に金額が小さい場合には差が出ます。次に手数料率で見てみましょう。
■ 手数料率
送金額 | 50,000¥ | 1,000,000¥ |
三菱東京UFJ銀行合計 | 12.15% | 1.70% |
トランスファーワイズ | 0.80% | 0.79% |
5万円の送金ではすごい差になりますね。とは言っても高額では差が縮まるとはいえ、100万円の送金では9000円ほどの差になるのでやはり大きな差ですね。同じ銀行でもネットバンク系の楽天銀行のほうがましですし、Paypalなどもありますのでもう一度5万円を送金した場合を比較してみましょう。
金融機関 | 手数料 |
東京三菱UFJ | 6,077¥ |
楽天 | 2,330¥ |
PayPal | 2,750¥ |
TransferWise | 400¥ |
・楽天は為替手数料1€あたり1.4円で計算しています。
・銀行手数料には為替手数料を含みます。
・PayPalは安いイメージがありますが、国際送金では例えば約5.6%の手数料がかります。
さらなる利点
多言語対応
さらにトランスファーワイズのサイトは日本語を含む10ヶ国語があるのでヨーロッパ各国で滞在してもどの国でも日本語で使えます!
マルチカレンシー口座で複数通貨を管理
日本でもマルチカレンシー口座が使えるようになりました。これにより、外貨を外貨のままで受け取ったりと、複数の通貨を保有・管理できます。
またTransferWiseの無料マスターカードを使用すれば、海外旅行で現地通貨で支払っても、通常のカードのような換金手数料1.75%や為替手数料がかからないので圧倒的にお得です。
結論
圧倒的に手数料の安いTransferWise。100万円以上の送金であれば数回に分ける必要がありますが、それでも価値がありますね。これだけ安いと他のサービスが出てきたとしてもこれよりも圧倒的に優れているということはなさそうですね。
将来的には仮想通貨による送金が安く簡単に行われるようになるかもしれませんが、まだ先のようです。
トランスファーワイズで振込み