海外フリーランス・スモールビジネスのためのお勧め決済方法

フリーランスや個人事業主として独立したら、必ずついてくるのが本業以外の事務作業です。しかし最近はお金をかけなくても良いツールがあるので、それらをうまく利用することで時間を節約して効率よく事務作業をこなすことができます。

ツールは自分の拠点とする地域によってより相性がいいものは変わってきます。銀行や決済のシステムが違うので北米で使いやすくてもヨーロッパでは使いにくいということもあります。

今回取り上げるのはおもに請求書作成ツールでクレジットカード決済と連動させることができるサービスです。

私自身はドイツを拠点としていますので、ご紹介するものは以下の基準で選び、実際に自分で使っているものです。

・ヨーロッパでも使い勝手がいい
・英語でOK
・基本的に無料か安い
・プログラミング知識がいらない

私の結論として2017年11月時点でベストな方法は請求書作成ツール InvoiceNinja を使って様々な決済方法を提供することです。具体的には以下の組み合わせです。

TransferWise.com (格安海外振込)
PayPal.com(決済手段・ツール)
Stripe.com(決済用ツール)
InvoiceNinja.com (請求書作成)
BitPay.com (ビットコイン決済)
・Sofort(Klarna)(欧州の銀行決済手段)

 

ちなみに以下はPayment System のマーケットシェアのトップ10を占めるサービスです。少し前はここでも紹介するStripeが2位だったのですが、今はベスト10にも入っていません。FinTech業界は変化が激しいのでこのサイトでもどんどんアップデートしていきます。

1. PayPal
2. Authorize.net
3. Square
4. Klarna
5. Amazon Payments
6. CCBill
7. Google Checkout
8. Braintree
9. ClickBank
10. Worldpay

そして以下の図のようになんとPaypalが8割近くのシェアを占めています。

銀行振り込みなら TransferWise

銀行振り込みなら圧倒的にTransferWise経由が有利です。法人も利用可能で、一回の送金で日本からだと100万円まで送金できるので、個人事業であればかなり使えるでしょう。私も貿易業で実際にクライアントには100万円以下に小分けにして振り込んでもらっています。条件は以下、銀行送金よりはるかに安いです。

・送金手数料 0.8%
・5万円以下の送金では一律400円
・為替手数料 0%
・英語も日本語もOK!

詳しくは以下の記事をご参照ください。

移住や留学・海外勤務で家族に送金など、海外に出れば必要になる国外送金。簡単で一番安いのはなんといってもトランスファーワイズ。送金手数料は0.8%のみ、為替手数料はかかりません。

Paypal

Paypal:まずは手っ取り早いけど、、、

Paypalは圧倒的な知名度があり簡単に使い始めることができるのと、多くの人がアカウントを持っているので、決済手段として選択できるようにしておくべきです。以下のロゴのようにクレジットカード決済も可能です。しかし決してベストなサービスというわけではありません。

■ Paypalの特徴は
・簡単
・クレジットカード決済も受けられる
・請求書発行可
・サイトにボタン設置も簡単
・基本料金なし
・定期的課金が可

しかし、

Paypal は手数料が高く不透明

Paypalは客として支払をする分には手数料はかかりませんし、個人間でも無料で送金ができるので安いイメージがあります。しかしビジネスの決済手段として支払を受ける場合には当然手数料がかかります。Paypal は手数料の透明性を謳っていますが、実際には国際間決済をする場合は非常にわかりにくくなっています。

例えばサイトには太字で大きく「最大 1.9%+0.35€」と書いていますが、これは嘘です

この料金はEU、スウェーデン、ノルウエー、アイスランド、リヒテンシュタインで有効な料金で、それ以外の国からの支払いは別の料金体系になっています。しかし料金規定はかなりわかりにくくなっています。⇒ Paypal 料金規定はこちら

私も最初騙されました。そんなに違わないだろうと思ってよく確認しなかったのが悪いのですが、日本のお客さんにPaypal払いをしてもらったら実質6%近い手数料が引かれていました

Paypalの料金には、変動料金・固定料金・為替手数料・クレジットカード払い手数料がかかります。例えばドイツから日本にユーロで請求を出した場合には以下のようになります。カッコ内は競合他社サービスの手数料です。

送金手数料 3.3% (0.8%)
クレカ払いは 5.2% (2.9%)
為替手数料 3.5% (0%)
固定費 0.35€ (30¢)

Paypalってなんか安いイメージありませんでしたか? でも国際間ではPaypal決済はクレジットカード決済よりも高いのです。Paypal経由でのクレジットカード決済や為替手数料に至っては他のサービスと比べるとボッタクリです。ブランドバリューがあるとこんな商売ができてしまうんですね。知らずに使ってるとかなり損します。

その代わりPaypalアカウントさえ作ればすぐにPaypalやクレジットカード決済が可能になるので確かに簡単ではあります。(でも高すぎ!)

Paypal 口座の開設

手数料が高いとはいえ、Paypal払いはもはやスタンダードなので決済手段の選択肢には加えるべきです。とりあえず最初に登録するサービスとしては簡単に決済手段を追加できるので便利です。ただし私はPaypal決済の場合は手数料は請求額に加えています、国際間だと5%以上かかりますので。

個人口座とは別にビジネス口座を開設します。Paypalでできることは

・Paypal.meでの簡易請求(URLの送付)
・Paypalで請求書を作成して請求

Paypal経由でクレジットカード払いも受付られますが、手数料が高いので以下に紹介する別サービスを使ったほうがお得です。

Paypal のAPIを使って外部サービスに連携する方法

Paypalは単独でも使えますが、他の会計ソフトや請求書作成ソフトと連携する場合には Paypal の API(Application Program Interface) を利用します。これにより外部サービスでPaypal決済を利用することができます。

 

・メニュー>  ‘Profile > ‘Profile and settings’ > Selling tools
・API access の項目から ‘Update’ をクリック
・画面下部の ‘Manage API Credentials’ をクリック

 

ここで以下を取得して、外部サービスに入力します。

API Username
API Password
Signature

InvoiceNinja:請求書発行ツール

請求書作成ツールでは単に請求書を作成できるだけではなく、銀行振込・クレジットカード決済・Pyapal決済を自動的に導入することが可能です。たくさんあるのでリサーチがなかなか面倒でしたが、以下の基準で選びました。

・英語でOK
・ヨーロッパでも使い勝手がいい
・クレジットカード決済可
・Paypal決済可
・無料または安くて充分に機能的
・定期的課金が可

 

■ InvoiceNinja の料金 

お金を出せば良いツールはいくらでもあるのですが、フリーミアムモデルの課金体系だと無料バージョンでもフリーランサーやスモールビジネスでは充分なこともよくあります。InvoiceNinja もフリーバージョンで充分に使えます。

Free版:顧客数100件まで、請求書作成は無制限

月8$:顧客数無制限、請求書作成無制限

InvoiceNinja の最大のメリット

そして InvoiceNinja というサービスを選択しました。最終的にこのサービスを選んだ決め手となったのは、

お客さんが選んだ決済システムに合わせて手数料を追加請求できる

という点です。これはどういうことかというと、例えばドイツから日本に100€の請求をした場合に自分にかかる手数料は以下のようになります。

・クレジットカード 2.9%
・Paypal 約5.7%
・ビットコイン 1.0%
・銀行振り込みの場合はお客さんが手数料を負担

 

■ InvoiceNinjaでの請求方法

私の場合は自分で手数料は負担しませんので、手数料も請求書に加えたいのですが、InvoiceNinjaでは予めお客さんに決済方法を確認する必要がありません。

請求書を作成してそのままサイトからメールで送信します。お客さんがメール内リンクをクリックするとそれぞれの決済方法で自分がいくらの手数料を払うかを確認した上で決済方法を選択することができます。そしてお客さんが選んだ決済方法によって請求書に自動的に手数料が記載されるのです。手数料率は自分で任意に指定することができます。

 

例えば請求額が1000€の場合は以下のように表示されます。

この手数料は私の場合はお客さんに負担してもらう手数料です。これだけ違うとPaypal払いではなくクレジットカード払いを選択しますよね、きっと。

・Sofortというのはヨーロッパ内の即時銀行振り込みサービスです。ヨーロッパ内のIBANのある銀行口座があれば無料で振込ができます。

InvoiceNinja と他のサービスの連携

InvoiceNinja は世界中の多くのサービスとの連携が可能です。⇒ InvoiceNinja の提携サービスリスト

これにより請求書をメールするだけで以下の決済方法を選択してもらうことができます。

・Paypal
・クレジットカード
・銀行振込
・ビットコイン

InvoiceNinja は単体で他の決済方法が利用できるわけではありません。ヨーロッパでの即時銀行決済に必要なサービス Sofort は標準装備しています。後はPaypalや、他のクレジットカード決済サービスと連携して使用します。

Paypalとの連携に必要なPaypalのAPI情報の取得方法はこちら

 

■ Bitpay との連携でビットコイン決済も可
ビットコイン決済はまだまだ実際に使われるケースは多くないとはいえ、国境や通貨を超える場合には実際手数料が安く簡単に送金ができます。またフリーランサーとしてビットコイン決済を受け付けているということで先進性があるということを表現できます。

InvoiceNinjaはビットコイン決済のBitpay.comと連携可能。Bitpay.com でビジネスアカウントを作成し本人認証を済ませれば決済が可能になります。本人認証には、パスポート・公共料金の支払証明・VAT ID番号・ビジネス用の銀行口座の記録などが必要になります。

請求書作成上の注意

InvoiceNinja は便利なツールですが、各国の規定にのっとった表記を自動的にしてくれるわけではありません。請求書に記載すべき事項は国によって異なります。必要事項は調べて追記してください。また売上税率やどのような場合に売上税をつけたりつけなかったりするかもルールがありますのでその点は注意してください。

それぞれの国の言語の請求書ツールであれば、その国に必要なことは自動的に処理してくれると思いますが、その場合はこのような決済システムとの連動はできないかもしれません。

Stripe.com:クレジットカード決済サービス

InvoiceNinja でクレジットカード決済を可能にするために選択したのは Stripe.com です。Stripeは決済サービスのGatewayとして、ネットショップや請求書・会計・CRMなどかなり多くのサービスと連携して使用することができます。

私自身はネットショップはWordpressに Woo Commerce を入れてStripeと連携して使用しています。単体の商品であれば Stripeのワードプレスプラグインを使えば簡単に自分のサイトで決済ができます。WIXやWeeblyなどのウエブサイト作成ツールでも使えます。⇒ Stripeの連携可能サービス一覧

Stripe.com の主な特徴は

・手数料:2.9% + 30¢
・為替手数料 1.0%
・AliPay, WeChat 対応 2.9% + 30¢
・ApplePay 対応
・Bitcoin 決済可 0.8% 最高$5
・ネットショップに統合可

Stripe.com の登録と設定

Stripe.comで登録して、基本情報を入力して Verification(本人認証)を済ませれば使用できます。他のクレジットカード決済サービスよりも審査が通るのは簡単な印象です。

InvoiceNinjaなど他のサービスと統合するには左側のメニューからAPIを選択、Publishable key と Secret key をコピーして外部サービスに入力します。

InvoiceNinja からは

・Setting > Online Payments > Add gateway

・Stripeを選択して、Stripeで取得したPublishable key と Secret keyを入力

・アクセプトするクレジットカードを選択

・アメリカまたはヨーロッパの銀行振り込み、AliPayもここで必要なものを選択

・Webhook URLをコピー、Stripeに戻り左側メニューの API をクリック > Webhooksのタブを選択 > 貼り付けで endpointを設定

 


以上で銀行振り込み・Paypal・クレジットカード・ビットコインでの決済方法が可能になります。

FinTechサービスはどんどん進化していますし、他にも良いサービスがあればぜひお知らせください