ビットコインの価値はどこにあるのか、ゴールドと法定通貨との比較

2017年は仮想通貨元年といっていいほどビットコインを含む仮想通貨市場が成長しました。

ビットコインは年初の1,000ドル以下から、10月には6倍以上の6,000ドル以上の値をつけ、仮想通貨全体の市場価値は年初の2兆円から、約10倍の20兆円に膨らみました。

仮想通貨の価値は1年で10倍に

ちなみにリーマンショック後の大底の2009年3月から2017年10月までの8年半ほど間に世界株インデックスは約4倍、年利30%でこれもすごいパフォーマンスなのですが、これを見ても1年で10倍というのはすごい数字なのです。そしてスピード感が違います。

iPhoneが登場したのが2007年、今ではスマフォが行き渡っているので、PCに向かわなくてもオンラインになれるし、仮想通貨自体が全てデジタルなのでその広まりにも圧倒的なスピード感があります。

以下はアメリカDow Jonesの2009年3月から2017年10月までの株価推移です。年利30%で成長しているわけですが、この間の銀行預金の利子は国にもよりますが、日本では0.01%、ドイツで0.1%などでした。これだけでも単に現金で保有していると大きな機会損失をしていることがよく分かります。

Dow Jones Mar.2009 – Oct.2017

 

大底からの成長率を見るのは都合がよすぎるかもしれません。そこでバブル崩壊前の最高値付近の2007年の10月に購入したとして、現在までの丁度10年間保有していたとすると、72%の成長率なので1年あたり7.2%です。最悪のタイミングでもこれだけのリターンがあるのです。もう一度言いますが、その間の銀行預金利率は0.1%です。そしてビットコインは1年で6倍以上、つまり500%以上もその価値が増したわけです。

Dow Jones Oct.2007 – Oct.2017

ビットコインはバブルか?

そこで金融会の著名人も、ビットコインはバブルだ、いずれ価格は崩壊してなんの価値もなくなる、とかチューリップ・バブルに比する人もいます。

チューリップ・バブルとは、16世紀にオスマン・トルコからもたらされたチューリップが、17世紀の最盛期のオランダでは証券取引所で扱われるようになり、珍しいチューリップの球根ひとつが今の価値で数千万円の価値をつけたのです。それが一気に価格崩壊して皆パニック売りに走り、球根はもとの球根の値段に戻りました。なんで球根が数千万円と思うでしょうが、これは実際に起こったことなんです。人間の心理というのは面白いですね。

そしてこのようなバブルはその後も繰り返し起こっていて、最近はそのサイクルが短くなり、バブルが頻発するようになってきています。しかしビットコインがバブルであれば、ドル・ユーロ・円における量的緩和(Quantitative Easing) による現在の”過去最高値”の株式市場も危ういバランスの上に成り立っているバブルでありいつ崩壊するか分かりません。

ここではバブルの良し悪しについては論じません。どちらにしてもバブルは必然的に起こるものなので、暴騰・暴落にどう備えるのかが大切です。それは2008年のバブル崩壊を見ても分かるように、金融資産の問題だけではなく、(従業員であれフリーランスであれ)職さえも奪われるかもしれないからです。

バブル崩壊がどのようなものかというと、直近の2008年9月のリーマンショック後、100年に一度の大不況と言われ、翌年の3月までに株価は半分くらいになりました。企業価値が半分になってしまい、多くの資産が失われたわけですので大変なことです。失業した人も多くいました。

ビットコインを見てみると2017年だけでも30%以上下げたことは4回ほどもあり、9月には2週間で約40%下げました。そういう意味ではすでにバブル崩壊規模のクラッシュが何度も起きているとも言えるし、こまめに調整が入っているとも言えます。もちろんどこかで価格は大きく崩壊するという見方もあります。

以下はビットコインの2017年10月までの1年間のチャートです。後半の動きが激しいので前半はあまり動いていないように見えますが、1月には約35%の下落、3月にも30%の下落がありました。30%というとよく分からないかもしれませんが、実際僕が勧めていた人が3月の下落前に1200ドルくらいの時に100万円ほど投資、2週間後には30万円分くらい吹っ飛んだのでびびってました。でも10月現在では6000€近辺の価格になっています。

2017年10月までの1年間のビットコイン価格チャート

 

ビットコインは今バブルなのか?もう少し他の要素を見ていきましょう。

価値は変動するもの

チューリップの球根は球根として100円くらいの価値はあるかもしれませんが、どう考えても数千万円の価値は感じられませんね。

ビットコインはお金なのか?ゴールドともよく比較されます。それではゴールドはなぜ価値があるのでしょうか?

・価値の保全、譲渡ができる
・貴金属としての価値
・金を採掘するにはコストがかかっている
・埋蔵量・生産量が限られているので希少価値がある。

という感じでしょうか。しかし、貴金属というのは経済的に余裕があれば自己満足できるものかもしれませんが、食料が足りずに困窮しているような社会ではジャガイモのほうが価値が高くなるかもしれません。ゴールドは価値があると信じている人がいるから価値がついているという面もありますね。もしゴールドよりも価値を保全するのに便利で埋蔵量も限られているものがあれば、ゴールドを保有するかわりに別のものを保有するかもしれません。

以下は1オンス当たりのゴールド価格(ドル)の推移です。リーマン・ショック後の700ドルから最高値は1900ドル、現在は1300ドルくらいと、この間でも軽く倍以上の値動きがあります。その間にいくらドルやユーロや円を刷ってもインフレしなかったわけですから法定通貨の価値は対して変わらなかったのに、ゴールドは倍以上になったり、株価は4倍になったりしているわけです。現金以外にゴールドや株などで価値を保有していると、価値というのは全く一定ではなく大きく変化するものであることが分かります。

価値がそんなに変動するのはおかしい、だから株や変な資産運用なんてするべきでない、真面目に労働して得る対価が尊いのだ、と思う人も結構いるでしょう。(そのような免疫のない人が ”うまい話” にだまされてしまうこともありますが)

しかし何も投資をしなくても、海外に住んでいる人なら実感しますが、為替の変動もかなり大きなものです。以下のドル円チャートを見ると、2011年10月から4年たらずの間に60%以上もの円安になっています。円だけ持っていたのでは、米ドルに対してはそれだけ価値が失われてしまったわけですが、ドルも持っていれば相殺されますね。またはゴールドや株式に分散していれば、このようなリスクも分散され、単に資産が目減りするということにはなりません。

ドル円チャート

というように物の価値なんて結構短期間に変わってしまうもので、法定通貨の価値でさえ国際間では相対的なもので大きく変動してしまいます。日本でも戦後大きなインフレがありましたし、ドイツではハイパーインフレになりました。現代でもインフレにより国の裏付けのある通貨が大暴落することは頻繁に起きています。球根ひとつの価値なんてたいして変わらないはずなのに。。。

ゴールドもお金の価値も信頼の上に成り立っています。1万円札の原価は20円ほどだそうですが、日本銀行が発行しているものだから、国の通貨だから、日本人が、世界の人が、1万円札には1万円相当の価値があると信じているから、そのような共同幻想があるから日銀が1枚20円で1万円札を刷ってもそれに1万円の価値があるわけです。今のところ。

ビットコインは価値があるのか?

さて、それではビットコインの話に戻りましょう。ビットコインは発行主体がないデジタル通貨でインターネット上にしかなく、国家や銀行が何か保証しているわけではありません。それではいったいビットコインはどこに価値があるのでしょうか?

まず今まで見てきたように価値というのは信用であり、共同幻想ですから、金属や紙に価値があるように、コピーや改竄のできないデジタルデータに価値があってもおかしくありません。それではなぜデジタルデータに価値を認める人がいるのでしょうか?

・価値を保存できる
・価値を細かく分割できる
・価値を譲渡できる(送金手数料が安い
・採掘にコストがかかる(設備や電気代)
・発行量に上限がある(希少性)
・改竄ができない
・(支払ができる)
・非中央集権的

 

■ 価値の保存と譲渡

インターネットによる情報革命が始まってから、データは簡単に複製してネット上で送付できることで情報が民主化され、だれでも世界中のデータにアクセスできるようになりました。しかし、複製できることで逆に音楽・著作・キャラクターなど著作権のあるものも簡単にコピーができてしまい、それを防ぐ手立てがありませんでした。

価値が簡単に複製できてしまうとなると、コピーした1万円送金すれば、自分の残高は減らないことになるので、それではお金のように価値の保全ができませんでした。ところがビットコインの背景にあるブロックチェーン技術により個人間で、銀行などの第3者を通さずにそれが可能になったのです。価値の保全と譲渡を保証する第3者がいらないためにコストもほとんどかかりません。

決済手段としてはまだまだあまり使えませんが、途上国の人で先進国に出稼ぎしている人にとってはすでに重要な送金手段になっています。また国外不動産の支払いにも使われたりします。不動産のような価格の高いものほど、送金・換金などの手間や送料がかかるからです。

■ 改竄できない

上記のブロックチェーン技術によりビットコインの記録を改竄することは実質不可能です。ビットコインの根幹となるブロックチェーンはまだ一度たりとも破られたことはありません。これが価値の保全の信用につながっています。

■ 発行量に限度がある

そしてビットコインの発行量は最大で2100万枚と決まっていて、これ以上増えることはありません。数に上限があり、欲しい人が増えれば、価値は上昇する方向に働きます。

■ 採掘にコストがかかる

ビットコインの採掘には、コンピューターや設備、そして多大な電気代がかかります。電気代だけで1ビットコインあたり500$以上かかるといわれています。実際にコストがかかっていることが価値の裏付けだと主張する人もいます。が、私はそうは思いません。実際仮想通貨の中には多大な電気代がかからないものもありますし、中には実質的にコストがかからずに送金ができるものもあります。コストがかかるかかからないかに関わらず、価値の保全・分割・譲渡、その他の利便性があれば価値を認める人は必ずいるはずです。

■ 非中央集権的

・基本的に特定の国や企業や個人の管理下にない、途上国では多くの人は銀行口座を開くことができないが、スマフォを持っている人は多く、スマフォがあればビットコインの送受信ができ、送金手数料は銀行やウエスタンユニオンと比べると圧倒的に安い。

・当局が預金封鎖することができず、ネットにつながれば個人間でも送金が可能

・法定通貨のように供給量を増やすことがない。⇒ インフレがおきにくく価値が保全されやすい。

非中央集権的であることはむしろそれが怪しいと思う人もいるわけですが、ビットコインに価値があると思う人にとってはとても大事な点です。

■ ビットコインと他の仮想通貨

ビットコインは1000ほどの種類がある仮想通貨全体の中で、50%以上の時価総額がある仮想通貨の基軸通貨のような立場にあります。これがもっと利便性の高い他の仮想通貨に取って代わられるということもありえます。そうだとしても仮想通貨自体の価値が失われるわけではありません。仮想通貨とその技術はこれからの時代に必要不可欠なものになっていく大きな可能性があるからです。実はここが重要な点ですが、また別テーマになるのでまた別の機会にとりあげようと思います。

政情不安による価値の上昇

ビットコイン価格が5000ドルくらいの時に、ハイパーインフレの起きているジンバブエでは1ビットコインに7000ドルの値がついていました。4割も高い値であっても、明日自分の持っている自国の通貨の価値がそれ以上の速度で落ちてしまうのであればビットコインに変えておいたほうがいいことになります。

キプロスでの政情不安の時にもビットコインは買われました。ベネズエラでも買われています。日本では北朝鮮がミサイルを打ったらビットコイン価格が上昇しました。

金融界での中でビットコインはバブルだと言っている人がいますが、もしかしたら先に崩壊するのは株式市場かもしれません。「有事の金(ゴールド)」と言いますが、政情不安や株価の暴落があった場合には、ビットコインが買われて価格が上昇するということがあるかもしれません。

ビットコインの価値を下げる要因

もちろんビットコインの価格が下がる要因もあります。最近でも、中国で仮想通貨取引所が禁止されたり、様ざなま国で仮想通貨に対しての規制が書けられています。適度な規制はむしろ健全な市場の成長のためにはプラスです。

しかし、ビットコインや仮想通貨は、革命的であるがゆえに既得権益を脅かしかねない面があるので、強すぎる規制があれば、実質使えないということで価値が下がるかもしれません。

2017年の11月にはハードフォークという分裂騒ぎもあるのですが、非中央集権的ではありますが、やはり人間がかかわるので、政治的な問題もあり、内部分裂により価値が失われるかもしれません。

単なる人々の共同幻想によるバブルであって本当は価値がないのであれば、またコアなビットコイン・マニアだけのものに戻りチューリップのようにしぼんでしまうということもあるかもしれません。

 

僕自身は、ビットコインや仮想通貨、それを裏付けるブロックチェーン技術に大きな可能性があると考える者ですので、長期的にはビットコインや仮想通貨の価値はまだまだ上昇すると考えています。

 

※ この記事の内容は私的見解であり投資を勧めるものではありません。