これからの時代、投資の基本的な知識は誰にとっても必要です!
資本主義の世界では知ってるか知らないかで格差がどんどん開いてしまうのです。
努力して情報を得て実践すれば、誰でも自分のお金を守り、育てることができます。
そしてその基本は決して難しいものではありません。これだけ知っておけば大丈夫という基本はこの投稿+アルファで十分です。
僕はドイツで資産運用アドバイザーとして保険や年金商品・投資商品などを取扱っていて、多くの方にアドバイスをしてきました。
その経験をもとに、誰でもできる投資法をご案内します。
お金も自分の人生も自己責任です!
目次
知らないと騙される
先日こんなニュースがありました。
「まともな投信1%、森信親金融庁長官が斬る業界の悪弊」
(Yahooニュース 2017年4月13日)
国民が安定して資産形成をしていけることは国家としても大事な課題であるのに、そのためのまともな投資信託商品は1%しかないという森長官の痛烈な証券業界に対しての批判です。
多くの商品や証券セールスの勧めは、客を騙して儲けるためにあります。
つまり、自分の大事なお金の運用を「専門家」に任せることは”非常に危険”ということです。
これも資本主義のルールの中ではある意味当たり前のことで、情弱であれば搾取されてしまうのです。
もしこのようなことに何らかの規制が入ったとしても、手をかえ品をかえまた別の形で情弱はまたカモにされます。
ですので、
知識で武装することが大切なのです!
ということで、投資はまだよくわからないという初心者向けの話です。
証券会社や専門家に相談してはいけない
そもそも証券会社や銀行に相談に行ってはいけません!
証券会社はより手数料の高いものを売れば儲かるので、顧客の利害とは全く相反するのです。
安くて良い物を提供しようとする製造業やサービス業とは全く違う構造なのです。
そして、証券セールスは万年強気です。そりゃそうです、好景気でも不景気でもいつだって商品売りたいわけですから。
そして、いわゆる専門家は、そのことを発信することでメシ食ってるわけなので、大騒ぎして売れることを言ったり書いたりします。どれが儲かるとか、展望がどうだとか、見通しとか、全部無視して構いません。
そんなの全部当たるも八卦です。誰にも未来は分かりません。
そして素人がすべき投資方法は決して難しいものではありません。また自分で自分が何をやっているかを把握することが大切です。そうしないと、いつまでも騙され続けます。
不思議なことに物は騙し取られないんですが、お金は取られます。
投資信託は必要ない
証券会社がせっせと売ってる投資信託。でも、そもそも投資信託なんて必要ありません!
投資信託は手数料を余計に払って、証券会社を儲けさせるだけです。しかも、「今はこれは買い替えたほうがいいですよ」とか言って買い替え勧めてくるのは、買い換えればまたそこで購入手数料が取れるからなんです。客のことなんて考えてないですよ、もちろん。
今はネットで簡単に自分でETF(インデックス投信)という、手数料の極めて低いものを購入できるので、証券会社に行く必要は全くありません。
セールスマンとかファンドマネージャーとか人が絡んでればそこに人件費がかかるから当然高くなるわけです。だからと言って機械的に指数を取るインデックス投信よりも成績が悪いファンドもたくさんあるんです。
そして、ETFは客にメリットがあるから、証券会社にはメリットがなく、決して勧めてくれないのです。
投資するなら投資信託ではなく、ETFの一択です!
ETF が何かはググって調べてください。
配当金や分配金は意味なし、「複利」がつかなきゃ意味がない
貯蓄段階においては投資信託の分配金は全く意味がありません。無知な人に商品売るために目の前につるされた人参です。
毎月とか、毎年少しでも分配金があるとなんだか特したような気になるかもしれませんが、老後の資産形成という長期投資においては、運用して増えた分を再投資してさらにそこにも利子がつく複利効果に最大の意味があります。
なのに、いちいち分配金受け取ってたら、いつまで経っても資産増えないですよ。
お金は利子に利子がついて複利で増える。これくらいは調べて知っておくべき。
学校でも教えるべき、チョー基本です。中学生でも十分に理解できます。
「複利」は最重要キーワードです。
これもググってその意味をちゃんと把握しておいてください。
しかし、なんでこんな簡単で大事なことを学校で教えないのか、不思議???
一括で買ってはいけない
証券会社はちょっと小金持ってる人がいると、その人にとってはなけなしの大事なお金なんですが、一括で商品を買わせようとします。
なぜかって一括で売れば一括でその分の手数料が確定するからです。本当はその人にとっては毎月の積立投資のほうがあってるかもしれないのにそんなことはおかまいなしです。
毎月投資の契約だと、3ヶ月後に景気が悪いニュースが流れるとお客さんってすぐに気が変わって解約しちゃうんですよ。そしたらその3ヶ月分の手数料しか入らないから、同じエネルギー割いて営業しても割が悪いんです。
一括購入であれば、その後すぐに売却されたとしても、すでにその全額に対する手数料取ってるから、売る方にしたら関係ないんです。
株はリスクが高いですが、債権とかREIT(不動産投信)ならリスクは低いし、ミックス型で分散すれば安心です。ほら、と言ってスムースに右肩上がりの最近のチャートを見せてくれます。
お客さんは本当は意味がよく分かってないんだけど、ふむふむなるほどそうですね、とか言って買わされてしまう、というのがよくあるパターン。
僕もついつい知ったかぶりしちゃう質なので、お気持ちよーくわかります。でも売る方はそんな心理も利用してるんです。
ところで、セールスマンは業界の中にいて、セールスセミナー受けて洗脳されて麻痺しちゃうから平気で客を騙せるんです。そんで、たくさんの客を騙すほうが成績がよくなって社内で表彰されちゃったりするので、騙しの競争をしているようなもんです。
そんなのに嫌気がさした人が、僕らみたいなフリーのアドバイザーに転身してくるので、その人達から大手銀行の内情をきいたりします。ドイツの話ですけどね。
景気がいい時に買ってはいけない
世間でも景気のいいニュースが流れていて、株高の時のほうがセールスマンとしては売りやすいんです。リーマンショックの時みたいに、100年に一度の不景気なんて言われたら怖くて買えないですよね。
でも全く逆なんです。不景気で株価が大暴落という時は、半額バーゲンセールなんです。景気がいいと世間で言っているってことは、もう買い時は過ぎてピーク近くなので、むしろ買わないで待ってたほうがいい。
『万人悲嘆のなかで上昇相場は始まり、万人疑惑のなかでそれは育ち、万人幸福感のなかで下降を迎える』
– ジョン・テンプルトン 米国の投資家
なので、景気がいい時に一括で買ってはいけないんです。
とは言ってもその渦中にいればいつがピークでいつか底だったかなんてことは分からないので、毎月一定額を買っていきつつ、余剰資金があれば、不景気を待って安い時に買い足して後はずっと持っておきます。
『野も山も、人も我も弱気なら、たわけになりてコメを買うべし』
– 大阪堂島のコメ相場の格言
毎月一定額を機会的に購入していると、高い時もあれば安い時もありリスクが分散されて平均化されるのですが、安い時に多く買える効果が大きいために、同じ大きさの好景気と不景気の波が一回ずつ来てまた同じ価格に戻ったとしても資産は増えているのです。
これには「ドルコスト平均法」という奇妙な名前がついていますが、この「ドルコスト平均法」は最重要キーワードのひとつですので、知らない人は必ずググって把握しておいてください。
何を買うべき?
今は世界中でお金をどんどん刷っていて、超低利子の時代です。銀行預金をしておいても利子が0.01%とかって、大した資産のない一般人にとってはゼロと一緒です。
日本はそれでもインフレでもないからある意味まだいいが、ドイツだとインフレ率よりも銀行利子のほうが低いので、銀行に預金していたら確実にお金は減っていくんです。
そこでまたセールスマンが出てきて、預金していてもマイナスだからリターンの見込める株式の投資信託がいいですよ、って勧めてくれます。でも決して勧められる投信は買ってはいけません。手数料高いですから。
買うべきものは、ネット証券でETFのMSCIワールドの毎月積立、この一択です!
「MSCIワールド」というのは世界主要国の株価平均指数です。世界のあらゆる産業分野の約1600銘柄の株価指数なのでこれですでに満遍なく分散投資ができるのです。
これ一本でOKです。他はいりません。これからはこの分野がいいんじゃないかとか、やれ日経だ、中国だ、インドだ、インドネシアだとかいっても、全ては結果論でしかないので誰も分かりません。最初から世界全体に分散しておけばいいのです。
まだまだ世界人口は増加しますから経済のパイが拡大し、景気の波はありながらも長期的には世界の株価全体が上昇すると考えるならば、これだけでOKです。
今後AI(人工知能)による資産運用指南が出てきますが、これも必要ないです。そんなのどっかが儲かるようにプログラミングされてるかもしれないし、そもそもそんな複雑なことしなくていいいんです。
いつ買うべき?
何も考えずに毎月投資することを始めたら、余剰資金も貯めておき、時期を見て購入することで、より効果的な資産構築が可能になります。
以下は ISHARES MSCI WORLD UCITS ETF – USD DIS のチャートです。リーマンショック前から今までの大きな世界の株価の推移が分かります。
リーマンショック後、もし運良く2009年春に底値近辺で購入したとすると、2017年春には8年で約3倍、200%の利率ですから平均年利はなんと25%!銀行預金が0.01%の間にです。
しかし、もちろんこんなに都合よくいくことはありません。
もし最悪のタイミングで購入した場合、つまりリーマンショック前の2008年春に最高値付近で購入した場合。それでも9年後の2017年春には1.85倍に、9年で85%増ですから、平均年利は9.4%。
2008年の高値で購入、もうピークだろうと2015年春に売ってしまったとしても5割増しなので、10年経ったとしても平均年利5%です。
基本は安く買って高く売ることです。しかしこうやって後でチャートを見ると簡単そうに見えますが、渦中にいると、今が底なのか天井なのかということは分かりません。
そこで、買う時も予算一杯で一括で買うのではなく数回に分けて分散するようにします。それによりリスクを分散できます。
大底や大天井を狙うことは不可能ですから、欲張らずにある程度のところで購入し、じっくり待ってある程度の利益がでたところで売却する。そして現金ポジションをつくり、次のチャンスに備えることが肝心です。
そのためにも、このような5−10年単位の大きな流れを常に感じておくことが大切です。
まとめ
最低限、知っておかないとヤバイ3つの単語を中心にご説明しました。
- 複利
- ドルコスト平均法
- ETF (MSCIワールド)
の3つです。
これだけは最低限自分で調べてその意味を把握してください。
そして知識を得たら後は行動してみてください。少額でも投資を始めれば、世界の経済にも関心が出てきて、世の中の見え方が変わってきます。
僕自身も今までいろいろと勉強して試してきましたが、メインの部分は上記に説明したことしかしていません。
シンプルで管理しやすく、また効果も高いからです。
ただ、これだけだと退屈ですし、待ちの期間も長かったりしますから、リスクを負える範囲で個別株や仮想通貨への投資もして遊んでいます。
少々ヤケドしたこともありますが、リスクの範囲はコントロールしてやっています。
あなたも、是非まずは始めてみて、徐々に自分に合う方法を見出してください。
投資も人生と同じように正解が決まってるわけではないですから。