ヨーロッパには通常のビザよりもかなり優遇されたブルーカードという労働ビザがあります。年収5−600万円以上の職に就くことができれば取得可能で、最短2年弱で永住権も取得できるというものです。
アメリカのグリーンカードに触発されできた制度で、EUの旗の色が青いことからブルーカードと名付けられました。ただし、イギリス、デンマーク、アイルランドでは適用されません。
新たな情報が分かり次第この記事の内容は更新しますが、滞在ビザに関する規定は変更されることもありますので、詳細はその時々に各国大使館のサイト等でも確認してください。
以下ドイツの例を見ていきます。
目次
ブルーカードの申請
申請資格
ブルーカードはドイツでは2012年から実施されている比較的新たな制度です。申請資格は、
- ドイツの大学、またはドイツ以外の国でもそれと同等とみなされる大学を卒業していること
- 労働契約書に記載されている年収が50,800€以上(月収4,234€)であること、または不足している専門職(科学者、数学者、エンジニア、医師、IT専門家)の場合は年収39,624€(月収3,302€)以上であること
※ビザ申請の現場の声をきくと、労働契約書に記載の仕事内容は学業の内容と一致していたほうがよりいいようです。
年収5-600万円からの取得ができるので、狭き門というわけではありません。逆にドイツとしては国内で不足している人材をEU外からも積極的に入れたいのです。
申請時期
申請は渡航前にしなければならないと書かれている情報もありますが、少なくとも日本人の場合はドイツに来てからの申請も可能です。通常の労働ビザ取得後に、転職により条件を満たしブルーカードに切り替える例もあります。
ブルーカードのメリット
最長4年までのビザ
通常の労働ビザは当初は1−2年分しか発給されないことが多いのですが、ブルーカードの場合は労働契約期間が十分にあれば最長4年までのビザが一気に取得できます。ビザの延長は煩わしいですし、延長できるかという不安もあるので、4年間安心して滞在できるのは大きなメリットです。ただし労働契約が4年に満たない場合は契約期間+3ヶ月のビザになります。
ブルーカード取得後最初の2年間の間は職場が変わる場合には外人局の許可が必要です。また新たな職場での給与条件が要件を満たさない場合にはブルーカードは継続できずに通常の労働ビザに変更になることもあります。
最短2年弱で永住権が取得できます!
外国人にとって一番大切なのは滞在権です。ドイツの永住権を取得するまでの最低5年間は1−2年おきに滞在ビザを延長しなければなりませんので長期的に滞在する保障がありません。
ところがブルーカードでは以下のようなメリットがあります。
- 3年弱(33ヶ月)後に永住権申請可能
- ドイツ語ができなくてもOK
- B1レベルのドイツ語能力があれば2年弱(21ヶ月)で永住権申請可能
英語だけで仕事ができる職場も多いので、日本からの転職もしやすいのですが、そのような環境にいるとドイツ語はなかなか上達しないことが多いようです。それでもブルーカード保持者であればドイツ語能力を問われれずに短期間のうちに永住権取得が可能。
通常の労働ビザの場合でも5年間合法的に滞在(学生の期間を除く)してその間に社会保障費を納めていれば、基礎レベル(B1)のドイツ語で永住権が取得できます。
その他の特徴
- ブルーカード取得者の家族も無条件に滞在可能です。配偶者ビザで通常は就労も自営も可能になります。
- 家族にもドイツ語能力は求められません。
- フリーランスや自営業にはブルーカードは発給されません。
(参考:ドイツ語法律文面) ドイツ滞在法19条項目a (AufenthaltG §19a)
必要書類
申請に必要な書類は管轄の役所によって異なる場合もありますので必ず事前に確認してください。また場合によっては担当官の裁量で後から追加で別の書類が必要になることもあります。
一般的には以下の書類が必要です。
- パスポート
- 証明写真 35mm x 45mm
- 大学の卒業証明書(日本の大学の場合英語でご用意ください。)
- 労働契約書
- 申請用紙(管轄の役所のサイトからダウンロード)
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ということで、要件を満たす職につける場合には、通常の労働ビザではなく、ブルーカードを申請したほうが有利です。永住権もなるべく早く取得を目指すことをお勧めします。永住権があれば追い出される心配はないですし、住宅ローンなどの融資を受けやすいなどのメリットもあります。
ドイツ移住を真剣にお考えの方はお問い合わせください。
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