ドイツへの移住予定が決まった方、いよいよ出国と入国の準備です。
目次
お金の準備
日本の銀行口座
現在(2018年)国際間の口座等の情報を自動交換するためのOECDの取り決めである「共通報告基準(CRS:Common Reporting Standard)」への移行中です。参考:国税庁サイト
銀行は国外に住所があるかどうかを確認しなければならなくなりますが、現状では銀行によっては国外転居する場合は口座を閉じなければならないとしているところもあります。実際には住所を実家などに変更することで口座の維持は可能です。
まずは口座は維持しておき、銀行のCRS基準への対応がはっきりしてから国外住所を届けるなどの手続きをすればいいと思います。
残高証明
送金がすぐにできない場合に備えて、現地での賃貸契約やビザ申請の際に提示できるように、英文で日本の銀行口座の残高証明を取得しておくとよいでしょう。ただし、日本円口座の場合は為替リスクを考慮して、現在レートから20-30%引きのユーロ価格分とみなされたりします。
■ 留学や大学準備ビザの場合
滞在期間中に必要な費用の月額720€を証明するために閉鎖口座の開設が必要です。詳細は以下でご確認ください。
語学・留学ビザに必要な閉鎖口座(Sperrkonto) について ↓
日本からの送金準備
日本の銀行口座を保持しておくなら、オンラインで海外送金ができるようにしておくと便利です。しかし、実際には銀行からの送金は非常に手数料が高いので格安海外送金のトランスファーワイズがお勧めです。
トランスファーワイズなら約0.8%の手数料のみで海外送金が可能です。銀行振込やPaypalよりもはるかにお得です。日本にいる間に口座開設をしておきます。
トランスファーワイズで無料口座開設以下の記事もご参照ください。
現金の持ち込み
当面必要なお金は手持ちで持ち込むこともできます。現金持ち込みは1万ユーロ(約130万円)以上で入国時に申告します。自分名義の口座から出金した場合には所得ではないので課税されません。念のため口座からの引き出しを証明できる書類があるとよいでしょう。
ドイツの銀行口座
ネットバンクのN26なら、英語でOK、住民登録前でも、また渡航前でも現地に郵便を受け取れる住所があれば口座開設可能、手数料無料でデビット・マスターカードがついています。学生でも即開設可能です。本人認証はビデオチャットで英語で行う必要があります。以下の開設方法を参照ください。
N26 銀行の口座開設方法 ↓
手続きの準備
ビザ申請
日本人の場合はドイツ渡航後に現地でのビザ申請が可能です。ワーホリビザは通常渡航前に申請します。(渡航後も申請可能です。)
詳細は以下でご確認ください。
⇒ ドイツ大使館サイト − 滞在ビザについて
※ 日本国籍でない場合は各国のドイツ大使館情報をご確認ください。
戸籍謄本・出生証明・婚姻証明
日本で戸籍謄本を取得しておきます。ドイツに来てから領事館で戸籍謄本から各種証明書をドイツ語で安価に発行してくれるので、たいていの場合はアポスティーユや翻訳は必要ありません。詳細はこちら↓
国民年金
住民票も抜いて、日本の非居住者となると国民年金の加入義務はありません。国民年金を継続するメリットほとんどありません。理由は
・年金は個人資産ではない
・ドイツで税金控除できない
・遺族年金がない
・今まで納めた分相応の年金受給は可
※ 住民票を日本においておくと国民年金加入義務が生じます。
さらに詳しくは以下を参照 ↓
健康保険
ドイツに滞在するには健康保険への加入義務があります。
まず渡航日からカバーする旅行健康保険に加入する必要があります。その後の滞在目的により
・旅行健康保険
・法定健康保険
・プライベート健康保険
のいずれかから選択することになります。健康保険制度は複雑で選択を誤ると変更ができなかったり、保険料が大きな差が出ることがあるので注意が必要です。
■ 保険の詳細や申込みは以下 ↓
税関
EU入境の空港で税関を通過しますが、430€相当以上申告するものがある場合は、必ず赤い申告ゲートを通ってください。緑の無申告ゲートを通ってから申告すべきものが見つかると罰金が課せられます。移住の場合は新品・中古に関わらずEU内に持ち込むものは申告が必要です。(短期の旅行でまた日本に持ち帰る場合は課税されませんが、一時輸入申告が必要なものもあります。)
例:腕時計、パソコン、スマフォ、その他電子機器、楽器、ある程度値段のするもの。
・できれば購入時のレシートなどをご用意ください。
・パソコンなどその後も出入国時に携帯しているものは関税を払ってその証明書がないと、その度に問題になる可能性があります。
詳細は必ず事前にドイツ大使館のサイトでご確認ください。
移住とドイツでの確定申告
※ 税制に関する以下の記述は制度内容を網羅しているわけではありませんのであくまで参考としてください。判断がつかないケースでは専門家にご相談ください。
日本もドイツも税制に関しては「属地主義」を取っており、国籍に関わらず居住者している国で納税することになっています。
ただし、以下のような場合には日本の居住者とみなされ日本でも納税義務が生じます。
・日本に住民票を残している
・配偶者や扶養家族が日本にいる
・自宅が日本にある
日本国外での滞在が1年までで日本に帰国した場合は、日本で申告をします。
移住してその後1年以上ドイツに滞在するのであれば、移住した年からドイツで申告します。その場合収入のあった国を問わず、1月1日から12月31日までの全ての収入を申告します。
従業員の場合は確定申告の義務はありませんが、以下の場合には還付が見込めます。
・年間を通して働かなかった場合
・給与額面が変わった場合
・通勤費・医療費・育児費などがかかった場合
■ 海外への引越費用と税金の控除
移住の場合は控除されるとは限りませんが、念のためかかった費用が証明できる書類は取っておくとよいでしょう。
■ 日本での不動産収入・REIT
日本での家賃収入、REITのような不動産証券による収入がある場合には日本で申告し、その申告の結果をドイツでも申告します。二重課税にはなりませんが、税率計算のための年収額には加算されます。
■ 日本の納税通知
日本での確定申告の結果をドイツで申告する場合には、申告書ではなく、税務署が発行した納税通知書に年間収入と税額が記載されていなければなりません。必要な場合は取り寄せます。
※ 2017年より国際報告基準(CRS)が施行され、国際間で銀行口座情報等の交換を自動的に行うように移行中です。
情報収集
ドイツ情報サイト・掲示版・Twitter・個人ブログなどネットでは情報が溢れていますが、制度や手続きに関しては都市によっても異なりますし、制度そのものも変化します。また担当官によっても対応や必要書類が変わることもあるので、一個人の体験記などは参考にならない場合もあります。
なるべく新しい情報、その街での情報、オフィシャルな情報を確認するようにしてください。
■ Twitter
ドイツ在住の人をフォローしておくと有益な情報が得られたり、お互いに情報交換ができたりします。
ドイツ入国後
入国後に必要な手続きについてはこちら ↓
お問い合わせ
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