VALUは倫理的に問題?投資ではない?

VALUは2017年5月にスタートしたサービスです。簡単に説明すると

・個人がVALUという株式のようなものを発行できる
・VALUを発行し、購入する人がいればそれにより資金調達ができる。
・VALUは売買・転売が可能でVALU市場原理によって価格が変動する。
・VALU発行者はVALU保有者に対して任意で優待を設定することができる(しなくてもいい)
・投資目的での購入はしないことになっている。
・VALUの売買はビットコインを使って行われる。

株との違いは配当の必要がないのでVALU発行者は自分のVALU保持者に対して見返りを提供する必要がないという点です。

VALU倫理的に問題?

「Valuは人に評価をつけるから倫理的に問題だ」と考えたり、何か生理的に受け付けないと思っている人がいるようです。

でも今までだって、親から見ていい子かどうか、テストの点数、入試、学歴、収入などの数値も使って人間は評価されてきました。そしてあなたの1時間の労働の価値は980円などという評価がありました。ここに、SNSでの評価を基準とした評価が加わることは倫理的に問題でしょうか?僕には笑顔でお客さんに対応しても、愛想がなくても時給980円と言われるほうがよっぽど納得が行きませんが。

VALUの発行を申請するとまずはFacebookやTwitterのフォロワー数を元に価格が決定されるようです。もちろんSNSのフォロワー数がその人間にの絶対的価値であるわけはなく、VALUでは単にそれを一つの物差しとしてある評価を与えているだけで全人格の評価をしているわけではありません。テストの点数や学歴を物差しとしたように。

むしろ今までとは違う評価の基準ができることは喜ばしいことではないのかと思います。

また当初の評価額はありますが、売買が始まれば市場原理によって1VAあたりの価値、つまり評価が変動します。

VALUは投資ではない?

投資目的はダメというのは建前ですが、実際には多くの人は投資としてVALUを購入していると思います。VALUのシステムではある人のVALUの値上がりを期待して購入し、上がったら売却して利益を得ることは実際にできます。

資本主義では、投資家がいるから資本を集めて大きな事業を展開することができ、技術が発達し、現在の豊かな暮らしがあります。(勿論負の面もあるでしょうが。)

投資家の中には夢をサポートする人ばかりではなく金儲けだけが目的の人もいるでしょうが、そういう人も含めて機能しています。

それが今、上場会社のみならず、個人を直接支援することができるというのは素晴らしいことだと思います。個人の価値の上昇を期待してそこに投資しリターンを得ることは悪いことだとは思いません。

例えばVALUでアーティストを支援すると

例えば僕の知り合いのアーティストは大作の構想がありそれに取り組みたいと思っています。そのためには制作費用が必要だし、半年の制作期間の間の自宅家賃、アトリエ家賃と生活費が必要だけど貯金はほとんどありません。今までにも画廊がパトロンになってくれて前払いしてくれることがありました。

そのような人が自分のVALUを発行して、それを買ってくれる人がいれば資金の調達ができます。資金調達がうまくいくには作品をつくる能力以外にもSNSを活用してファンやサポーターを増やしてコミュニケーションできる能力、またはそれを代わりにやってくれる人は必要になるでしょう。その作品のファンやその将来を見込んでいる人、またおもしろそうなアイデアだからあたるかもしれないと思う人がVALUを買います。

VALUでは自分のVALUの保有者に対して見返りを与える義務はないので、もしその人の作品がたいして売れず、評価も高まらずVALUの価値が下がったとしても別に問題はありません。それは非常に良い点だと思います。自分の価値が上がらず買ってくれた人にVALUの価値の上昇というメリットを与えられなくてもその責任を取る必要はないのです。とは言っても応援してくれる人がその大作のプロジェクトに参加した気分になれるように、VALU保持者のために、作品の作成状況やメイキングの写真やビデオを提供するなどして応援してくれる人を楽しませるほうが自分の活動のためにもなりますが。

その人が売れっ子になりVALUの価値が上がれば、VALUは転売可能なので、VALUを買った人はそれにより彼女を実質的に経済的に支援した上で、転売によりさらに利益を得ることも可能です。これっておもいっきり投資ですよね。なのでそれができる以上、いくら投資ではないといっても、購入時に投資の意図はないという項目にチェックを入れても、システムを利用しての投資が可能な以上、投資目的てVALUを購入する人をなくすことはできません。(別にそれが悪いわけではなく、現行法に基づいた表記をしているのだと思います。)もっとも今のところVALUは一般の株や投信・ETFと違い流動性が低い、つまり売買したいからといってマイナーな人のVALUの場合はすぐには買い手がつかないということがあります。

VALUが投資ではないと言っていてそれを理念的に表現していますが、ひとつには投資となると証券取引法が適用されてしまい、それに沿ったことしかできないと自由度がなくなるということがあります。だから投資ではないと言っている面があると思います。

VALUと不正について

どんなシステムであっても抜け道があれば濫用する人が出て来ます。

完璧なシステムというのは濫用ができない、または悪いことをすれば損をするが、いいことをすればWinWinになれるシステム。で、これがうまく働いているのがeBay。

eBayも評価経済社会だからいい評価を積み上げることによって信用が増していく。つまり、商品の内容を細かく正確に説明してあり、注文が入れば、即座に綺麗に梱包されて発送され、トラブルがあった場合には迅速適切に対処してくれれば、ひとつひとつ評価が高まっていきます。

評価の低いまたは少ないアカウントは信用されないので買ってもらえません。いい評価が積み上がればそれを維持することが大事になってくるので、詐欺的商法をしてもいいことは全くない自浄システムになっています。

VALUはまだ2017年8月現在もまだベータ版ですが、今後よりよいシステムとなっていくことを期待しています。

新しいものは批判を受ける

新しいものが批判を受けるのは世の常です。革新的であればなおさらです。もちろん新しいものの中には生き残らないものもあるでしょう。しかしVALUが提示したような新たな個人の評価の仕方というのは今後ますます多様化し、形を変えて現れてくるでしょう。すごいスピードで時代がダイナミックに動き、今は本当におもしろい時代です。

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